英語を勉強していて

私は幼少の頃から英語を勉強していて、要するに英才教育というものを受けていた。
3歳の頃から、外国人教師とマンツーマンでアルファベットはもちろん、日常会話などを勉強していた。
小学校に入ると英検などを取得し始め、自分の中では英語だけは誰にも負けていないと思っていた。
しかし、自分の中ではわかっていた。「本当は英語ができない」ということを。
この前の社員旅行で韓国に行った。韓国。そこで話されているのはもちろん韓国語だ。
しかしながら、韓国人は英語のレベルが高いというのは知られている。
これは、英語が通じるはず。当時、中のよかった同僚の綾香と韓国の街中にある食堂にいった。
韓国海苔巻きのキンパと、スープを一緒に食べた。それから私がトイレに行こうと、店員に英語で「トイレはどこか？」と尋ねた。店員は首を傾げるばかり、私はしょうがないので韓国語のパンフレットを見て韓国語で尋ねた。韓国人は英語ができると思っていたがそうでもないなと、そのとき自分の中であざ笑った。
その後、昔のお城など観光しながら、マクドナルドに入った。韓国のマクドナルドは日本では見かけないデリバリーのバイクが店の前に多くとめられていた。そんな様子を女子社員と話しながら、私はまたトイレにいった。
もちろん英語でトイレを尋ねた。店員は首をかしげた。そのときはパンフレットを取り出すのがめんどくさいので我慢することにした。その後、綾香もトイレに立つ。普通に済ませて帰ってきた。
「あれ、アヤカ韓国語できたっけ？」出来るわけないと彼女。そう。彼女も英語でその店員にトイレの場所を尋ねたのだった。いったい何が違うんだ。私は、そんな思いと尿意を我慢するのにイライラした。
社員旅行が海外なのも初めてだった。綾香とはそれまでも行動をともにすることが多かったが意外な一面を見たなと思った。同時に自分の英語能力のなさに絶望した。綾香にいいところを何一つ見せられない社員旅行になってしまった。